電気治療器(低周波・SSP等)の効果的な使用法の提案(2/6ページ)

<注意>ここに挙げる通電方法は現在当院において行っていませんが、適当に電気治療器を取り付けるよりはるかに効果的なので掲載を継続しています。目次

<効果的な導子の配置の仕方>
(@)手足の痛みに対して@ (同一経絡へのアプローチ)
一つの患部に対して「一対の導子」の使用しか許されていない場合は、以下の方法を提案します。多くの整形外科や整骨院でそう制限されていると思います。郷に従ってください。
まず始めに、「痛い所」「気持ちの良い所」を見極めてください。そこに導子を置くことは痛みを取るための基本の基本です。それだけでも、適当に当てるよりは効果的ですが、さらに効果を引き出すために大事な事は一組の導子を「関連付ける事」です。
どのように関連付けると効果的かというと、筋肉の走行上で関連付けても良いのですが、それよりも東洋医学の経絡の概念に沿って関連付けて配置した方がさらに効果的です。
経絡に関する予備知識の無い方は、まずは勉強してください。
さて話を進めます。低周波などの電気に反応する経穴は、上肢下肢では「原穴」と「絡穴」のようです。それと「主訴周辺の最大圧痛点」を関連付けます。
一対の導子だけで効果的な通電をするには、同じ経絡上に配置して、一つを最大圧痛点に、もう一つを原穴か絡穴に配置すると良い感じです。また、最大圧痛点が絡穴にある場合、原穴に取り付けても効果はいまいちです。最大圧痛点が原穴にある場合も同じです。原穴と絡穴を結んでもあまり効果はないようです。その場合は、同じ経絡上の気になる圧痛点に配置すると効果的です。
以下に図示します。この取り付け方でセッティングすれば、適当に取り付けるよりはるかに効果的になります。
効果的な取り付けが出来た場合、患者はいつもの反応とは違い「今日は気持ちよかったわ」と言ってくれるでしょう。

    

(A)手足の痛みに対してA (五行説の相生関係を局所的に用いたアプローチ)
さらに効果を高めるには、東洋医学的概念の「五行説」の「相生関係」を用います。
一つの患部に2〜3対の導子を使うので、一般的な整形外科や整骨院では許されないかもしれません。ただ、断然効果的です。
基本は東洋医学的な考えに基づいた取り付けなんですが、一部当院独自の工夫が混ざっていて一般的な概念とはちょっと違いますので注意してください。

例題の説明をしつつ、その概念も説明させていただきます。五行説は木→火→土→金→水です。土の虚には火で補とか土の実には金でシャとかです。ここからは当院独自の概念ですが、異常経脈の表裏経を同時に使います。例えば例題の大腸経に異常がある場合、その裏の経絡である肺経も治療に参加させます。そこに、一般的な相生関係での補瀉の概念を当てはめます。陰経の異常にはその「母」を「補」し、陽経の異常にはその「子」を「瀉」するという考え方があります。ので、肺経は脾経で「補」して、大腸経は膀胱経で「瀉」する治療イメージを組み立てます。かなり強引ですが、「補」と「瀉」の概念を同時に使った方が、何故か効果的なのです。どちらか一方では今一です。さらに、膀胱経と小腸経の様な同名経は代用しあえる様です。例題の場合、膀胱経で瀉したいのに足に電極を付けられない場合、同名経の小腸経で代用できます。また、脾経の同名経は肺経なので、そのまま肺経を使います。これもかなり強引ですが、事実、これで上手くいきます。このような考えをして例題では「小腸経」「大腸経」「肺経」を治療に選びました。
次は、肺経と小腸経と大腸経の最大圧痛点を見つけます。そしてその場所と、各経絡の原穴か絡穴を一組の導子でつなぎます。下に図示します。一つの経絡へのアプローチでは効果はほどほどですが、五行を使うと劇的という言葉があうくらい効果が高まります。
また、電極の数の都合上、全てに取り付けられないときは、圧痛の強い経脈を優先的に選ぶか、最善はFTやOTを使って判断します。
膝、肘、足首の疼痛に対しても、この東洋医学の相生関係と「原穴」「絡穴」を駆使すれば、驚くほどの成果がでます。応用してください。
そして、適格に取り付けられれば、患者の感想は「すっごく気持ちい」となります。

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